AIを使うまえに意識しておくべき5つ

AIを使うまえに意識しておくべき5つ

環境構築

紙の線が重なって集まり、思考の流れと蓄積を表現したサムネイル

AIまかせでWebサイトを実装させてみたが、期待したデザインは出てこない。
同じ経験をした人は、少なくないと思います。

私もそうでした。意図したものはまったく出せず、AI感満載のずれたデザインばかりが生成されていました。

それでも今は、Web制作の一部にAIを導入しています。
完全おまかせではなく、任せる範囲を決めて実装してもらってます。

以前から変わったのはAIの性能ではなく、AIへの向き合い方。
私はAIを、膨大な知識を身につけた新卒入社の社員だと思っています。

AIは、たくさんの知識を身につけています。
ただ、それをどう活かせばいいのかが分かっていません。

入社したての社員が自社のやり方を知らないのと同じで、AIもこちらの事情を把握していないのです。

だからそのまま任せても、期待には応えられません。
AIを使う前に、こちらが押さえておくべき前提が5つあります。

  1. ルールを先に用意する
  2. 正確に働くロボットだと期待しない
  3. ルールは守られないときがあると知っておく
  4. デザインはできないと割り切る
  5. 0→1ではなく3→7を任せる

順に説明します。

1, ルールを先に用意する

新卒社員に仕事を任せるとき、業務の進め方も決まりごとも伝えずに「すべて任せるので作業して」とはなりません。AIも同じです。

私は、AIを使う開発環境に「ここだけの法律」というルールを先に用意しています。

絶対に守ってほしい決めごとを文書にして、その範囲の中で膨大な知識を使って仕事をしてもらう、という考え方です。

たとえば、作業していい対象とやってはいけないこと、判断に迷ったら一旦止まって確認することなどを先に提示します。

このルールがあることでAIの知識の使いどころが決まり、方向性を把握してから作業できるようになります。

ルールがない状態のAIは、膨大な選択肢の中から平均的にそれっぽいものを選んできます。
開発ルールがあると、選択肢がこちらの都合に沿って絞られます。

この準備をしないまま触っていたころは、期待はずれの結果ばかりでした。
まずここを整備することが、AIを業務で使うために必要なことです。

2, 正確に作業するロボットだと期待しない

AIは、正確に仕事をこなすロボットではありません。

こちらが分かりやすく指示したつもりでも、勘違いして間違えます。ときにはファイルを削除するなど、大きなミスも犯します。
しかもそのミスを「指示が曖昧だったからです」と、こちらの責任にしてくることさえあります。
勝手な行動から、見当違いの答えを出してくることもあります。

とても人間らしいふるまいです。

だから私は、AIが生成したものをそのままにはしません。
出てきたものを自分の目で確かめる前提で作業しています。
AIの仕事は正確だと思い込み、確認を怠ると、ミスが起きたことにも気づけません。

3, ルールは守られないときがあると知っておく

1でルールを用意する話をしました。そのうえで、もうひとつ知っておくことがあります。

AIは、用意したルールを守れないことがあります。
無意識のときもあれば、意図して守らないときもあります。

AIが仕事をしやすいようにルールを用意しても、それを確認しない。
存在に気づいても読まない。
読んでいても、勝手な解釈で守らない。
どれも実際に起きます。

これも、とても人間らしいふるまいです。

だから私は、ルールを用意して終わりにせず、守られているかを見ます。
守られていなければ指摘して直させます。
新卒社員の教育と同じで、一度伝えたから大丈夫、とはなりません。

4, デザインはできないと割り切る

Web制作者として一番気になるところだと思います。
先に私の結論を書くと、AIにデザインそのものは任せていません。

ひと口にデザインと言っても、方向性は無数にあります。
AIは膨大なデザイン知識を持っていますが、そのうちどれを求められているのかが分かりません。
だから「デザインして」と頼むと、どれでもない平均的な何かが出てきます。

対策として、デザインルールを決めて実行させる方法があります。私もそうしています。

ただ、それでも前提2の勘違いやAIの偏った考えが影響して、こちらがイメージするデザインには届かないのが現状です。

詳細で長いプロンプトで意図に近づける方法をSNSで見かけますが、私が試した範囲では「それっぽいデザイン」止まりでした。

意図するデザインをAIに再現させるのは、少なくとも今の私には厳しい状況です。
ならばどう使うか。それが次の前提です。

5, 0→1ではなく3→7を任せる

Web制作において、AIがゼロから何かを生み出すのは難しい。ここでもやはり新卒社員です。

ただし、ベースとなるデザインがあればAIは再現できます。
それを用意すると、膨大な知識から方向性を見出して、同等のクオリティで展開してくれます。

ゼロから発想するのは苦手でも、デザインを参照して再現し、展開するのは得意なのです。

私のWeb制作で現在採用しているのはこの方法です。
ベースとなるデザインを私が用意して、それをもとに全ページを作ってもらいます。ゼロから作らせません。

0→2は私の仕事、3→7がAIの仕事、8→10の仕上げがまた私の仕事、という分担です。

4で書いたとおり、AIにデザインを決めさせると「それっぽい」ものしか出てきません。

決める仕事をこちらが持ち、広げる仕事をAIに渡す。
この分担にしてから、期待と違うものが出てくることは減りました。

AIは人として扱う

総じて、AIは膨大な知識を身につけた新卒入社の人間である、というのが私の考えです。

ロボットのような正確さは期待できません。
勘違いもミスもしますし、ルールを破ることもあります。

だから、使う側が上司として、ときには社長として、自社ルールを設けてAIが仕事をしやすい環境を整える必要があります。

  • AIは新卒社員だと考えて、ルールを先に用意する
  • ロボットの正確さを期待せず、確認を仕事に組み込む
  • ルールは守られない前提で、様子を見て直させる
  • デザインは決めさせず、ベースとなるデザインを渡す
  • 0→1を自分が担当し、3→7を任せる。8→10を再度自分が担当する

私はこの前提を押さえてから、AIを制作の戦力として活用できるようになりました。

AIに期待して、がっかりした経験のある方は、道具を替える前に任せ方から見直してみることをおすすめします。

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